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仕事をいている中で「常識的に考えて●●するほうが良い(あるいは「●●しなさい」「●●して当然だ」等)」といった話が時々出てきます。もしくは口にしてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

そして常識に照らし合わせて口にしているため聞く側も、「言われてみればその通りだ」と簡単に鵜吞みにして疑うことなく受け入れてしまうこともあります。

しかしビジネスは限られたヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源を用いて最大限の成果をあげようとする行為です。言い方を変えれば最大限の成果を上げるために経営資源を投入するわけですが、経営資源に限度があるため投入先は必然的に絞られてきます。

すなわち常識的に考えて”OK”であっても戦略的に考えて”NG”であれば常識的行為であっても行う必要はないのです。というより行うことが出来ません。

こういったことはPDCAのPがなく、とにかく実行することだけを重視している企業や職場でよく起こっていることなのです。戦略とは何を行うかと同時に何を行わないかを規定するものです。ですから常識に照らし合わせれば行ったほうが良いことであっても戦略に照らし合わせれば行わなくて良いことというのは当然存在するわけです。

例えば安さを売りにしている(安さが他社との差別であり、その安さを維持することを戦略としている)小売業の場合、安さを維持できない施策は常識的に考えればあったほうが良くても戦略に沿わなければ行う必要がありません。顧客から見れば必要な時にすぐに店員がやって来て自分が欲しい商品を的確に薦めてくれれば常識的に考えて言うことはありません。しかし店員が必要な時にすぐにやって来てくれるとなると相応の人数の店員を雇用しなくてはなりませんが、そうすると当然その分が商品のコストに反映され安売りを維持できなくなるとします。しかしそれでは安さを維持するという戦略に反します。

そういった企業の場合無理に店員を雇って商品のコストに反映させる必要はありません。顧客が少々不便を感じても納得できる低価格であれば問題ないわけです(もちろん店員がすぐにやって来てくれてその上商品も安ければ、またそれを行えるだけの企業体力があれば言うことはありません)。

結局PDCAのPの段階で何をもって差別化を図るのかといった戦略をしっかり考えておかなければ限られた経営資源を分散するだけで生産性は高まらず、それどころか企業間の競争にも勝てないということになりかねません。

ですので常識的に考えれば必要と思えることでも貴社において本当に必要なのかどうか今一度よく考えてから指示するようにしてみてはいかがでしょうか。