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戦略とは簡単に言えば現在の姿と目指す姿(ありたい姿、あるべき姿)のギャップを埋めるためにどこに戦力(経営資源)を投入するかの方法論です。目指す姿は定量的な姿、定性的な姿両方あると思いますが、どちらにしても本当にこうなりたい、こうありたいという姿のことです。

定量目標定性目標いずれでも良いのですが、いずれにしても現在の姿と目指す姿のギャップがあるため、そのギャップを埋めるために目標を定め、戦略や実行計画を立案し、ありたい姿を目指すわけです。限りある経営資源を駆使して効率的にギャップを埋めたいのであれば戦略や実行計画の立案は欠かせません。そして目指す姿が明快になっており、それをいつまでに実現したいかという意思や思いがあるから真剣に達成しようと思うのであって、目指す姿がなかったり忘れていたり共有されていなければ、目標を設定できなかったり、目標を設定しても真剣に達成する気持ちにはなりません。

ところが実際には明快に目指す姿が示されていないことが少なくありません。あるいは実際には示されているにも関わらず、それはお題目となっており、実務に落とし込まれていない、意識されていないこともあります。たとえば経営理念のようにかなりの長期にわたって目指す姿が明示されていても1~3年のスパンでどこまで目指すのかが明示されていないことは珍しくないのです。しかしそういった企業や部門でも特に目標とする数字だけは示されています。そしてその数字を達成することがビジネスパーソンとして当たり前といったこともつけ加えられます。

なぜそうなるのかと言えば企業活動を継続していくためには利益を出し続けなければならず数字を達成することは必須であると同時に、上に立つ人間にとって数字だけ示して目指す姿を示さないのは簡単だからです。特に営業部門は予算という具体的な数値目標があるので年間の月別予算表を作り上げてしまえば管理職はあとは部下に数字の達成を促すだけで一応良いため簡単なのです。間接部門の場合必ずしも数字の目標を立てられるわけではないため、数字だけを設定してあとは部下を追い回すだけとはならないのでしょうが、数字がない分部下はさらに動きづらいかも知れません。

上司が部下に目標の達成は給料をもらっている以上当然のことと求めるのであれば、私は上司・管理職に給料をもらっているのであれば人を使って結果を出すことが当然の立場である以上、あるべき姿の明示は現場は当然のことと求めます。それは全社一丸となってあるべき姿を本気になって目指したいという思いがなければ特に目標高い場合達成は困難だからです。

優秀で自律して動くことができる従業員のみで構成された企業であればいちいちそのような気遣いは不要なのかもしれませんが、多くの普通の従業員で構成されている企業はやはり企業や部門としてありたい姿を明示共有すべきでしょう。